真鍋:とにかく時間をかけるようにしています。最初からいきなり聞いても、建前しか言ってくれないので。ゆっくりゆっくり時間をかけると、だんだんいろんなことを教えてくれるようになります。
堀江:そういう人たちとお付き合いしてて、お金の要求されたり、怪しい誘いをされたりすることはないんですか?
真鍋:仮に「一緒に事業をやろう」とか言われても、僕はそういう商売的なものは一切やらないので。あと、基本は取材費も払ってないんです。そもそも受け取らない人が多いですから。顔が売れている有名な人ほど、そういうグレーゾーンなところで働いている業界の人たちとの付き合いを避けるようになるじゃないですか。でも、僕の場合は漫画家で、顔を出してないので、一緒にいても周囲の目を気にしなくていい。だから、話しやすいんでしょうね。その結果、取材を続けられている部分はあると思います。
あとは、作品のおかげで名前が売れているので、ある意味、パンダ的な扱いをされているところもあるかもしれません。「こいつ、連れてきたぞー」と。
◆某有名暴力団の偉い人に再会した場所
堀江:それはおもしろい視点ですね。例えば昭和の時代だったら、大物演歌歌手はほぼ100%ヤクザとつながりがあったわけじゃないですか。でも、当時はそれもパトロンとしてお金があるから、容認されていたわけですよね。そして、ヤクザからすると、「芸能人を連れてきたぞ」と自慢できると。
ただ、いまは世の中が変わって、芸能人もヤクザの人たちとの付き合いがあると100%アウトになってしまうから、付き合いを切るようになってますよね。