芸能

小林幸子が守り続ける「美空ひばりのたった一つの教え」

小林幸子が振り返る美空ひばりさんとの思い出

 9歳の時、テレビのオーディション番組で美空ひばりさんのモノマネをして優勝したことをきっかけに、歌手デビューを果たした小林幸子(65)。美空ひばりさんは芸事に対する厳しい姿勢でも有名だったが、小林のモノマネを高く評価したという。小林幸子がデビュー55周年の軌跡を振り返る短期集中連載の第3回では、美空ひばりさんが「一度だけ教えてくれたこと」を紹介する。

 * * *
「創造とは記憶である」。これは「世界のクロサワ」こと、映画監督の黒澤明さんの言葉です。黒澤監督が言うには、何もないところからものは創り出せない、ということらしいのです。

 生まれてから今まで、経験したことや本を読んで記憶に残ったことが、知らず知らずに蓄積されていって、それがふとしたきっかけで呼び覚まされて、創造されていく……。黒澤監督の言葉は、すべての事柄に当てはまると、私は考えています。

 芸事の世界の言葉で言い換えるなら、「プロの技は見て学べ」。最初からオリジナルの歌い方ができる歌手なんて、存在しません。皆、少なからず誰かのマネをして、それを自分の中に取り込んで血肉にしていくのだと思います。

 私自身、デビューのきっかけは「モノマネ」です。TBSのオーディション番組『歌まね読本』に、かつて歌手になりたかった父が、勝手に応募していました。

 9歳の時のことです。番組のタイトル通り、歌マネを競う番組で、歌ったのは、美空ひばりさんの歌。この番組のグランドチャンピオン大会で優勝したことで、私は歌手デビューを果たします。

 当のひばりさんからは「お幸」とかわいがられ、「お幸のモノマネがいちばんいい」と褒めていただきました。でも実際は、ひばりさんの「ここの節回しを盗もう」と思ってマネしてみるのですが、絶対にひばりさんと同じにはなりません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン