担当医師の朴教授

 まだ症例数は少ないが、その取り組みの先進性から全国の医療・自治体関係者の視察が数多くある。取材当日、リハビリに来院した高知市在住の小谷仁男さん(82)に密着した。

 リハビリは2つの反復練習から始まる。足踏みしながら、「赤なら右手、白なら左手をあげる」と、作業療法士が指示した色に対応した動作を同時に行なうものと、記憶したイラストを時間をおいて答えるという情報処理能力と記憶能力向上を目的にしたものだ。

 その後、ドライブシミュレータでの運転訓練が行なわれる。横に座った作業療法士からの「今の標識は?」「人が立っていたのは見えた?」といった質問に答えながら操作し、1回だけバイクの巻き込み事故を起こしながらも完走。評価は良好を示すB判定だった。

「来年1月に免許証の書き換えがあるんです。運転に自信があるが、家内は返納してほしいと言っている。自宅で閉じ込もってはボケてしまうが、返納するのもいいかなと迷っています」

 作業療法士によれば、リハビリ前に比べて運転能力は向上しているという。

 当然、リハビリをしても改善しない、あるいは運転できるまでには回復しない例もあるが、プロセスを経ることに意味はある。

「運転を諦めきれない高齢者に“正常な運転は無理だ”と意識を変えてもらうことが大事。免許を取り上げられるのではなく、自分の意思で返した『納得返納』にするのが重要です」(朴医師)

◆「昼限定免許」も検討

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