芸能

林家きく麿 独特の「フラ」があればこそ成り立つ独特な世界

林家きく麿には独特のフラがある(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、爆笑新作落語で知られる林家きく麿が高座で高座に描き出すユニークな世界についてお届けする。

 * * *
 ヘンな人たちのヘンな日常を描く爆笑新作落語の林家きく麿。トボケた口調の高い声と全身から醸し出される脱力感が一体となった「ユルいのにエキセントリック」な高座は、ハマったらクセになる。

 二ツ目時代からマニアックな新作ファンに支持されてきたきく麿だが、真打9年目の今、ちょっとしたブレイクの兆しを見せている。数年前から「よってたかって」シリーズ等のホール落語に顔付けされる機会も増え、昨年12月には新宿末廣亭(上席夜の部)で初めてトリを務めるとこれが大好評。今年に入り、その勢いはさらに増している。

 そんなきく麿が5月18日に池袋の東京芸術劇場シアターウエストで「噺小屋in池袋 皐月の独り看板〈第一夜〉“林家きく麿”」という独演会を行なった。「独り看板」は落語プロモーター「いがぐみ」主催の独演会シリーズで、きく麿はこれが初登場。ちなみにこの2日後の「第二夜」は林家正蔵の独演会だ。ここに抜擢されたこと自体、今のきく麿の人気を物語っている。

 この日1席目は『スナック・ヒヤシンス2』。場末のスナックの高齢ママと古株ホステスが山田という常連客の悪口を言い合う『スナック・ヒヤシンス』の続編で、あの2人がサクランボ狩りツアーに参加してバスガイドに敵意を剥き出しにする。ヒステリックな女性たちのバカバカしい会話はきく麿の独壇場だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン