国内

廃止された議員年金 政府・与党が参院選後に復活の準備

報告書と同じく「受け取らない」ってことは?(時事通信フォト)

 参院選がスタートした。政府が躍起になって年金不足を否定しても、“年金の真実”を知った国民はなんとか老後資産を守りたいと生活費を節約して生活防衛に頭を痛めている。ところが、そんな国民の痛みを横目に、政府・与党内では廃止したはずの「議員年金」を参院選後に復活させ、国民の税金で議員の老後の生活保障を手厚くしようとひそかに準備を進めていた。

 参院選公示前の6月28日、総務省に新設された「地方議会・議員のあり方に関する研究会」の初会合がひっそりと行なわれた。この日の会合では、地方議会代表が「議員年金復活」の法制化をこう主張した。「若い人が政治に参加する意欲を持てるように、早く国会で議論を進めてもらいたい」

「議員特権」と批判された国会議員と地方議員の退職年金は公的年金とは別の制度で、かつては「国会議員年金」は在職10年で年間約412万円、「地方議員年金」(在職12年以上で受給資格)は都道府県議に平均約194万円、市議なら平均約103万円が退職後に支給されていた。

 しかし、小泉政権の年金改革で公的年金の保険料アップと年金カットが決まると、「議員だけ特権年金をもらうのはおかしい」という批判が高まり、2006年に国会議員年金、地方議員年金は2011年に廃止された。

 議員も自営業者などと平等に国民年金で老後の生活を支えることになった。だが、それでは我慢ができなかったらしい。特権を復活させる動きが始まったのは、前回総選挙(2017年10月)で自民党が大勝した直後からだ。

「若くして国会に出た議員は退職したら全員生活保護だ。ホームレスになった人もいる。こんな国は世界中にない」

 自民党の竹下亘・元総務会長がそうぶちあげると、手始めに地方議員の年金復活にとりかかった。同党地方議員年金検討プロジェクトチームで法案をまとめ、昨年12月に自公幹事長会談で法整備の方針で一致した。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン