ノンフィクション作家の溝口敦氏

溝口:山一抗争(*)の頃はお互いに顔をさらして、テレビで「ふざけんな!」って言いながらドンパチやり合っていましたが、今度の山口組分裂抗争ではほとんど顔出しで出てくるヤクザはいなかった。

【*1984年、竹中正久組長が山口組四代目を襲名したことに反対した反竹中派が「一和会」を結成。竹中組長は一和会に殺害され、山口組は報復に動いた。1989年の一和会解散までに双方で25人の死者を出した】

鈴木:溝口さんの取材ぐらいですよ、彼らが出てくるのは。でも自分たちのほうが有利なようにマスコミには取り上げてほしいから、匿名では情報を流しまくる。そんな情報戦ばかりが先行して、実際に人が血を流す抗争事件はほとんど起きてないのに、マスコミでは何か大変な事態が起きているような雰囲気になっている。

溝口:本当はヤクザは目立ちたがり屋だから、マスコミに出たいはずなんだけど。

鈴木:実際、山口組分裂のあと、埼玉で発砲事件があって、東京のテレビ局が撮りに行っている。門を掃除している組員に、「撮らせてください」と言ったら「OK」って言うわけです。ただし、「体面があるから俺はお前らを怒鳴る。怒鳴るシーンを撮れ」って。それで、「オラァ、コラァ、何やっとんじゃぁ!」と怒鳴ってから、いろいろ話してくれたそう(笑い)。組織への体面で、取材に答えるわけにはいかないけど、来たやつに事情を説明するのはいいと。本当は出たいんですよね、テレビ。

溝口:新聞もそう。たとえば、抗争でカチコミ(事務所への襲撃)をやるでしょ。襲撃を受けた組のほうが、警察に届けないことがあるんですよね。それだとニュースにならないから、撃った方がわざわざ警察に電話して、「今、拳銃の発砲音がしました」と通報することがあるんです。

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン