国内

ヤクザ報道の裏側「怒鳴るところ撮れ」「自ら警察通報」等

ヤクザとタピオカの記事が話題の鈴木智彦氏

 芸人の闇営業問題がメディアを賑わせ続けているが、証拠として反社会勢力と一緒に撮った写真や動画がとりあげられている。ヤクザ取材を専門にしてきたノンフィクション作家の溝口敦氏とフリーライターの鈴木智彦氏が、かつてはみずからメディアに登場して激しく自己主張していたヤクザが、ほとんど顔出ししなくなった現状について語り合った。

溝口:実はついこの前、「暴力団取材」というテーマで、新聞記者たちの前で講演をしてきたんですよ。全国紙から通信社、地方紙の記者まで30人ぐらい、日本記者クラブに呼ばれていろんな質問に答えてきました。どう取材したらいいのか分かんないから、私なんかが呼ばれるんだろうね。

鈴木:何を聞かれたんですか?

溝口:「なんで暴力団に興味を持ったのか」とか僕に関する質問が多かったけど、「ヤクザに取材したいけどどうしたらいいのか」って質問もありました。

鈴木:何て答えたんです?

溝口:その情報に関係してそうなヤクザか取り巻きに電話を入れて感触を図ってから取材に入るべきだと。いきなり会おうとすると警戒心も強いし、一癖も二癖もある。一歩間違えたら自分が逮捕されかねない。そこまでして取材する必要があるかを考えるべきだと。

鈴木:確かに、昔はヤクザも出たがりで、新聞にもテレビにも顔出し実名で出ましたけど、今はヤクザの側も正面から取材を受けるのを嫌がりますからね。マスコミに出ると、警察から目を付けられやすくなるし、暴力団組織の中でマイナスに働く可能性もある。

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