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警察小説の映像化が続く理由 新人発掘を目指す文学賞も

相場英雄氏(左)と長岡弘樹氏(右)

 木村拓哉が来春放送予定のフジテレビ開局60周年記念ドラマ『教場』で、警察学校のカリスマ教官役に挑戦することが、大きな話題となっている。生徒役には三浦翔平、大島優子、工藤阿須加、林遣都、川口春奈、葵わかなという錚々たる面々が顔を揃えた。長岡弘樹氏の原作『教場』は「2013年週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第一位に輝いた傑作で、シリーズ57万部のベストセラー。木村にとっては、本年初頭に公開された東野圭吾氏原作の映画『マスカレード・ホテル』以来の刑事役だ。脚本は「躍る大捜査線」の君塚良一氏が担当するという豪華布陣が敷かれ、フジテレビの並々ならぬ力の入れ方がうかがええる。

『教場』は本邦初の警察学校小説として刊行時注目を集め、2014年の本屋大賞にもノミネートされた作品。警察小説は不動の人気を誇るジャンルだが、ここにきて作品の映像化が相次いでおり、改めてブームの様相も呈している。

「端的に言うと警察小説は映像化との相性がいいんです。実際、映画の興行収入やテレビドラマの視聴率でも健闘するケースが目立ちますし、人気があるとなればシリーズ化もしやすい。映像制作に携わる人間にとっては恰好のテーマとなっています」(民放キー局関係者)

 90年代には、大沢在昌氏の『新宿鮫』シリーズが大ヒットし、連続ドラマ化され、映画化もされた。さらには警察小説の大家・横山秀夫氏がデビューし、代表作の『半落ち』『64』をはじめ、数多くの作品が映像化されている。髙村薫氏の『レディ・ジョーカー』、佐々木譲氏の『警官の血』などの超大作が生み出される一方、文庫の市場では堂場瞬一氏(代表作『アナザーフェイス』『警視庁失踪人捜査課』などが映像化されている)、誉田哲也氏(代表作『ストロベリーナイト』は竹内結子、二階堂ふみの主演で二度映像化された)など精力的に活動する実力派作家の作品が支持を集めている。

 こうした“実績”もあり、「警察モノは大物のキャスティングもしやすい」(前出の民放関係者)のだという。

 実際、木村拓哉は映画『マスカレード・ホテル』で刑事役に挑むにあたり、

「ようやく自分に(刑事役の)バトンが回ってきたと思った。自分が子どものとき、刑事ドラマからたくさんのワクワクをもらっていたので、そういう意味では演じていて高揚したのは確かです」

 とコメントしている(「AERA」19年1月28日号)。

 テレビドラマでも「太陽にほえろ!」(石原裕次郎主演)「特捜最前線」(二谷英明主演)「はぐれ刑事純情派」(藤田まこと主演)「躍る大捜査線」(織田裕二主演)など数多くの名作刑事ドラマが生み出されてきた。水谷豊が主演する「相棒」シリーズは、現在17シーズンまで製作され、高い人気を維持している。

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