このようなものは、ネガティブ・オプション、送りつけ商法と呼ばれ、前述のカニカニ詐欺もそこに含まれる。単価が数万円になる高級魚介類の送りつけ商法は押し売りするためだが、Amazon送りつけ詐欺の場合は全体の目的がはっきりしない。購入すると与えられるポイントを得るためとか、保管料・廃棄費用をかけず業者が在庫処分をしているとか、Amazonを使った無在庫転売に利用されているとも言われているが、詳しい理由は明らかになっていない。
代引きで払ってしまっても、返品や返金はできる。とはいえAmazonギフト券での返金ならすぐに戻るが、現金を取り戻すためには手続きが1ヶ月はかかることが多いようだ。返金手続きそのものが煩雑なため、身に覚えがない代引きだったのに、面倒でそのままにしている人も少なくない。そういった心理につけ込んで、送りつけた側は売れない物の在庫処分ができる、売れ筋ランキングを上げるなどのメリットが得られている可能性があるのだ。
◆覚えがないものは受取拒否を
では、このようなものが届いたときはどうすればいいのだろうか。まず、自分が買っていないものはハッキリと受取拒否をして、支払わないことだ。自信がない場合は、アカウントから注文履歴を調べると確実だろう。同居の家族がいる場合は、このような詐欺が多発していることを告げ、支払いしないようにお願いしておきたい。
うっかり支払ってしまった場合は、Amazonカスタマーサポートへすぐに連絡をとろう。Amazonアカウントにログインした状態で、「身に覚えのない請求」として電話またはチャットで問い合わせられる。ログインしていない状態でも、「ヘルプ&カスタマーサービス」カテゴリの「特定商取引法に基づく表示」ページにある「返金する」「返品・交換の手続きをする」を参照すればすすめられる。
また、消費生活センターまたは消費者ホットラインで相談した上で、情報を提供しておくと、そのような被害が減らせる可能性がある。多発している詐欺でも、ちょっとした注意で被害にあわずにすむので、注意して利用してほしい。