国家基盤に見る3国の格差
韓国経済の“後退”を示す数字もある。今年1~3月の韓国のGDPは、過去10年で最低水準となる前年同期比0.3%減のマイナス成長に転落したのだ。
〈現政権は何も成し遂げたものがないまま自画自賛している〉(朝鮮日報)
〈政策をただちに改めなければならない〉(中央日報)
と、各紙で厳しい論調が相次いだ。朝鮮半島情勢に詳しいジャーナリストの李策氏が語る。
「内需が増えず、他国への貿易輸出に依存している現状を打開できていない。中小企業が育たず、非正規雇用が増えて家計が安定しないため、消費も増えない。年金制度が長らく未整備だった韓国では、老後の財テクのために不動産投資が盛んだったのですが、人口減少もあり、マンション価格が暴落しかねず、政府は不動産投資を抑制せざるを得ない状況にある」
一方、北朝鮮の経済状況はさらに悲惨だ。北朝鮮の主な収益基盤は中国への輸出貿易だが、経済制裁の影響で、「石炭や鉄鋼、アパレルの分野は壊滅状態」(同前)だという。
GDPを比較すると、日本の4兆8732億ドルに対し、韓国は1兆4112億ドル、北朝鮮は168億ドル。南北合わせても日本にはまだ及ばないのが現実だ。