2002年、天皇皇后両陛下のポーランドご訪問時に、熱烈に歓迎する地元の人々(代表取材)

2002年、天皇皇后両陛下のポーランドご訪問時に、熱烈に歓迎する地元の人々(代表取材)

 残念なことに、ポーランドが欧州一の親日国家であるという事実も日本では知られていない。日本とポーランド両国の感動秘話は1904年の日露戦争にさかのぼる。実は、日露戦争における日本の勝利は日英同盟とポーランド人の協力の賜物だったのだ。

 そして第一次世界大戦最中に行われたシベリア出兵時に日本がポーランドの孤児たちを救援したことがいまもポーランドに感謝され続けていることをご存じだろうか。加えて、その後の第二次世界大戦下でも両国は友情を保ち続けていたという驚くべき事実もある。

 令和元年(2019年)に国交樹立100年を迎えたポーランドの親日感情は腰を抜かしそうなほど感動的なのである。

 日露戦争を契機とする親日感情の発芽は北欧の国フィンランドも同じだった。長くロシアの支配下に置かれたフィンランドにとって極東の島国・日本の戦いに多くを期待したのも当然のことだろう。また日本がフィンランドの独立を支援した知られざる交流の歴史は首都ヘルシンキで確認することができる。

 もっとも日露戦争で日本と干戈(かんか)を交えたロシアでも、現代のロシア人が日本軍の武勇を称え、日本への畏敬の念を持っていることには驚かされる。やはり行ってみなければわからないことだらけである。

 行ってみなければわからないのは、カンボジアもそうだろう。長い内戦に苦しんでいたカンボジアの復興に手を差し伸べた日本は、日本初のPKO(国連平和維持活動)として自衛隊を派遣した。そして自衛隊員らが汗を流して復興支援を行い、引き続いて日本政府がODA(政府開発援助)を投入するなどしてカンボジア復興を助けたのだった。

 こうしたことへの感謝の気持ちの表意として、カンボジアの紙幣になんと「日の丸」が描かれているのだ。当時、日本国内では、自衛隊のPKO部隊派遣を巡って無知蒙昧(むちもうまい)な反対意見が渦巻き、これを偏向メディアが煽り立てた。ところが実際にカンボジアに行ってみると「あの日本国内での騒ぎはなんだったのか」と恥ずかしくなる。まさしく“井の中の蛙”という言葉を痛感した次第である。

 そしてなんといっても親日国家の王者といえば台湾だろう。日清戦争後の下関講和条約によって清国から割譲されて日本領となった台湾は、大東亜戦争終結まで半世紀もの日本統治を経験しているが、これまで私は、日本統治時代を批判する声を耳にしたことがなく、むしろ日本統治時代を称賛する声が溢れている。

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