日差しを遮る室内にいれば安心かといえばそんなこともなく、65才以上の女性熱中症患者の約7割が自宅で発症している(※注/国立環境研究所が2016年2月に発表)。そこで今回は、台所での熱中症を防ぐための、時短料理のコツをお伝えする。
「夏場の料理は、時間をかけすぎない、火を使いすぎないのがポイントです」と話すのは、料理研究家の野口英世さんだ。
普段の調理時間の半分の時間を目安に作り終えるよう工夫するのが大切だという。そのためには、次の3ステップを参考にしてみよう。
【STEP1:時短メニューを考える】
◆かたまり肉は煮込む時間がかかるので、ひき肉や薄切り肉、こま切れ肉を使うメニューにする。
◆酢のものやサラダなど、混ぜるだけ・和えるだけでいい、火を使わないメニューを取り入れる。
◆きゅうりやトマトなど、夏野菜には加熱しなくても食べられるものが多いので積極的に取り入れる。
◆調理の手間が省ける缶詰や冷凍商品を活用する。
【STEP2:下ごしらえを工夫する】
◆涼しい時間帯にまとめて下ごしらえをしておき、調理は後で行う。
◆野菜を薄切りにすると火の通りが早くなり、火を使う時間を短縮できる。
◆野菜や肉を切る時は、翌日に使う分もまとめて切って保存しておく。
【STEP3 調理法を工夫する】
◆煮込む、炒める料理では電子レンジを活用する。
◆そうめんをゆでる時や、カレーや肉じゃがといった煮込み料理、煮ものを作る時には深い鍋を使わず、底面が広く火の通りが早いフライパンを活用する。
◆野菜をゆでるなど、湯を沸かす時は、ふたをする。湯が早く沸き、熱気が部屋にこもりにくい。
◆ご飯はまとめて炊き、すぐに食べない分は1食分ずつラップに包んで冷凍保存しておく。
◆ご飯を炊く時は、炊飯器にじゃがいもや卵をアルミ箔に包んで入れ、同時に調理する。
野口さんは「調理中はエアコンと換気扇をつけましょう。水分補給はもちろん、首に保冷剤を包んだ手ぬぐいを巻いておくと安心です」とアドバイスする。
※女性セブン2019年8月8日号