国内

五輪中に大震災なら… ライフライン断絶で熱中症死者多発か

五輪開催中に大地震が来たら?(写真/AFP=時事)

 開幕まで1年を切った東京五輪だが、開催中に「首都直下型地震」が起これば、甚大な被害を招きかねない。

 下町の木造住宅密集地域もあるマラソンコースは火災のリスクが高く、東京湾の最奥部にあるフェンシングやレスリング会場(幕張メッセ)や、セーリング会場の江の島ヨットハーバー(神奈川)などは津波被害が広範囲に及ぶと予想されている。一次災害(地震)、二次災害(火災・津波)を免れた観客は「避難所」に向かうことになるが、東京都内の避難所は平時ですら不足すると指摘されており、五輪期間中には“避難所難民”がさらに増えることも想定される。

 そして、避難生活が長期化すれば、断絶したライフラインの復旧が生死を分けることになる。

 内閣府の想定では、首都直下地震発生直後は約5割の地域で停電し、電力供給は1週間以上不安定な状況が続く。都区部では約5割が断水、約1割で下水道が使えなくなる。

 災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が指摘する。

「阪神・淡路大震災以降の過去の地震を見ると、少なくとも電気は完全復旧まで1週間程度、水道、ガスは復旧まで1か月以上かかることもあり得る。道路が復旧しない限り、給水車が入ることもできない。

 8月の高温多湿の中、五輪観客が避難所に入れず、水道ライフラインも断絶した状態が続けば、熱中症による死者が出ると想定できます。選手村でも熱中症が起こるかもしれない」

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン