◆間違いに個性を見出したのがヒットの要因
バラエティ豊かな解答者を揃えたことも魅力のひとつ。正解率7割を誇ったが、本番が終わると胃が痛くなっていた漫画家・はらたいらや、「間違いも上品でいいじゃないか」と、とぼけた表情でユニークな解答を披露する学習院大学教授の篠沢秀夫、カンのよさと知的なかわいさを持つ竹下景子は当時の政治家が「理想の花嫁」と語るほど人気となり、長年レギュラーを務める番組の顔になっていった。
それまでにない面白い問題制作を心がけていたが、ヒットの要因は別にあると副島氏は言う。
「番組を始めて分かったことは、正解には個性がなく、間違った時にその人の個性が出るということ。正解率のあまりよくない篠沢教授の人気が高かったのもそのためです。クイズそのものより、巨泉さんが解答者と楽しそうにしていたトークが、お茶の間に広く受け入れられた要因だったと思っています」(副島氏)
●取材・文/戸田梨恵、小野雅彦
※週刊ポスト2019年8月16・23日号