夫や妻の不倫によって夫婦関係が壊れた場合、その不倫相手にも「慰謝料の支払い」が命じられるのが一般的だ。しかし、どのような主張と事情が考慮されると、「賠償責任を負うことはない」と判断されるのか。興味深い最高裁判例が紹介されている。
また、老親を抱える長男が「認知症の父の不動産」を管理する場合、「家族・親族内の財産争いに巻き込まれ」ないためになすべきことは何か。はじめて経験する事態にあって、まごつかない法律知識がふんだんに盛り込まれている。
市民を守ってくれる法律も、一歩間違えればわが身を滅ぼす壁となる。そんな裁判の恐ろしさと、裁判官の手の内を知るための最適の実用書である。
※週刊ポスト2019年8月30日号