例えば、プレーヤーAとBが対戦するとしよう。1プレイでAが得点する確率を、pと置く。Aが得点できない確率(Bが得点する確率)は、(1-p)だ。それぞれのプレイでの得点は、過去のプレイの結果とは無関係に、独立に決まると想定する。

 さて、Aが4-0のラヴゲームで、ゲームを獲得する確率はどれくらいか。これは、確率pが4回続けて起こるのだから、(pの4乗)となる。

 Aが4-1のスコアでゲームを獲得する確率はどうか。Bが1点を取るのが、Aが0点、1点、2点、3点のときの4パターンある。したがって、4×(1-p)×(pの4乗)となる。

 同様に、Aが4-2のスコアでゲームを獲得する確率は、10×{(1-p)の2乗}×(pの4乗)となる。ここで、10という数字は、Bが2点を取るパターンの数だ。

 ややこしいのが、点数が3-3で並んで、デュースの末にAがゲームを獲得するケースだ。まず、点数が3-3になる確率は、先ほどまでと同じように、20×{(1-p)の3乗}×(pの3乗)となる。

 これに、デュース後にAが2点差をつけてBを上回る確率をかける。

 まず、Aが2点続けて取る確率は、(pの2乗)。デュース後の2つのプレイでAとBが1点ずつを取り合って、1回デュースに戻ってから、Aが2点続けて取る確率は、2p(1-p)×(pの2乗)となる。

 2回デュースに戻ってから、Aが2点続けて取る確率は、[{2p(1-p)}の2乗]×(pの2乗)。3回デュースに戻ってから、Aが2点続けて取る確率は、[{2p(1-p)}の3乗]×(pの2乗)……。

 高校の数学で出てきた等比数列の和の計算法を使って、これらを足していく。その結果、デュース後にAが2点差をつけてBを上回る確率は、(pの2乗)÷(1-2p〈1-p〉)となる。

 したがって、Aがデュースの末にゲームを獲得する確率は、以下のようになる。

20×{(1-p)の3乗}×(pの3乗)×(pの2乗)÷{1-2p(1-p)}

 つまり、Aがゲームを取る確率は、4-0のラヴゲーム、4-1のスコア、4-2のスコア、デュースの末、のそれぞれでゲームを取る確率を、全部足し算して、

(pの4乗)+4×(1-p)×(pの4乗)+10×{(1-p)の2乗}×(pの4乗)+20×{(1-p)の3乗}×(pの5乗)÷{1-2p(1-p)}

 となる。かなりごちゃごちゃしているが、pが決まれば、なんとか計算できるわけだ。

 そして、これを何ゲームも繰り返していって、6つのゲームを取るとセットが得られ、獲得したセットの数が3つになると、試合に勝利することになる(5セットマッチの場合)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン