◆都立でも高校募集を閉じる

 高校募集を閉じるのは私立だけではない。都立でも併設型中高一貫校の5校が高校募集を閉じる。スケジュールは以下の通り。

【2021年度】
富士高校・附属中学校、武蔵高校・附属中学校
【2022年度】
両国高校・附属中学校、大泉高校・附属中学校
※白鴎高校・附属中学校については施設の関係もあり2021年度以降のみ決定

 都立の併設型中高一貫校の高校募集は、募集人員が男女それぞれ推薦8、一般31と少ないため応募も少なく、低倍率が続いていた。そのため、高校募集を停止し、中学募集に振り分けることになった。

 高校募集停止は2クラス分だが、教室数の関係から中学募集増は1クラス分となる(2クラス×3学年=1クラス×6学年)。この5校についても今年の入試結果を見てみると、一般(一次)入試は軒並み1倍台、それも前半である。

低倍率が続いていた都立の併設型中高一貫校

低倍率が続いていた都立の併設型中高一貫校

 併設型中高一貫校は中学からの内進生が多数派なので、高校受験生からは、「人間関係が出来上がっていて、それに溶け込むのが大変そう」「勉強面でも先取りしていて、追いつくのが大変そう」「部活、行事などの面でも、出来上がっているところに入りにくい」といった理由で敬遠されるのである。

 都立の併設型中高一貫校の高校募集停止の理由は、高校では受験生が集まらないからと考えていいだろう。

◆あえて高校募集を再開する学校も

 逆に、完全中高一貫校だった学校が高校募集を再開する動きも多数ある。中学入試は、公立中学が存在するのにわざわざ高い学費をかけて入学する世界である。5年連続で中学受験人口は増えているといっても、首都圏の国私立中学受験率は16%程度である。これは、受験してもらう学校にとっても厳しい市場競争の世界である。よほど公立を凌駕する魅力がなければ受けてもらえない。

 一方、高校入試は中学卒業生のほとんど(96%程度)が受ける世界。なおかつ中学卒業生が減少すれば、各県とも教育委員会は公立高校の募集人員を縮小する。したがって、ある程度の募集人員は満たせるのである。経営的にも安定化が見込まれる。そのため中学入試で十分集め切れなかった学校が高校募集を再開する動きも目立っている。

【2017年度】
麹町学園女子、聖ヨゼフ学園
【2018年度】
中村(国際科のみ)、和洋九段女子(グローバルコースのみ)、捜真女学校、横浜富士見丘学園
【2019年度】
関東学院六浦
【2020年度】
中村(普通科も)、聖セシリア女子

 関東学院六浦以外はいずれも女子校である。高校受験では「共学の公立高校を第一志望にしている受験生は併願校も共学校を選びやすい」「幼稚園(保育園)・小学校・中学校と共学で育ってきているだけに、女子校選択は例外的になりやすい」といった状況にある。

関連記事

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン