「手術によって切除する場所が少なく、刺激も少ない手術のことを全般的に『低侵襲手術』と呼びます。
例えば、大腸がんや胃がんなどに対しては、『腹腔鏡手術』が行なわれる機会が増えました。お腹に小さな穴を開けるだけなので、従来の開腹手術と比べて体への負担がかなり軽くなったといえます。
心臓疾患なら『カテーテル』を使った手術、ヘルニア関節手術では『内視鏡手術』が、より低侵襲の手術です。
また、腹腔鏡手術をロボット支援の下で行なう『ダヴィンチ手術』は、より複雑で細やかな手技が可能になり、3次元の精確な画像情報を取得できるため、より安全かつ侵襲の少ない手術が可能になります。
最先端治療のため保険適用外となる病気も多かったのですが、近年では胃がん、肺がん、直腸がんなどの患者数が多い疾患への保険適用が進んでいます」
治療の選択では、「術後うつのリスク」よりも「治療の効果や必要性」を優先すべきことは言うまでもないが、治療の先に待つ“思わぬリスク”の存在を知っておくに越したことはない。
※週刊ポスト2019年9月13日号