ライフ

本当はコワい童謡『はないちもんめ』 残酷な人気者の取り合い

子供が売られることもあった哀しい時代の歌(イラスト/竹本佐治)

 体当たり取材が得意な『女性セブン』の名物アラ還ライター・オバ記者こと野原広子が、ゆる~く世の中を斬る!

 * * *
 罪のない幼子に、なぜそこまでできる! 連日のように流れる幼児虐待のニュースに胸がつぶれる思いをしている人は多いだろう。

 子供同士のいじめももはや“悪ふざけ”ですまされるレベルではない。そう憤慨した後で、テレビやネットのなかった頃はどうだったかと思うと、それはそれで暗澹たる思いになる。

 思い起こせば、子供が虐げられた歴史は今に始まったことではない。

 先日、取材で地方を訪れた時、ちょっと薄暗い感じの路地で、4~5才くらいの子供たちが数人、『はないちもんめ』を唄いながら遊んでいた光景を目にした。いたって無邪気で楽しそうな子供たちの姿に、あぁ懐かしいなぁ、自分にもあんな頃があったなぁと目を細めたけど、それと同時にあれこれ思い出したことがある。

 そう、誰もが子供の頃、なんの気なしに口ずさんでいた童謡の数々には、実はとってもコワい意味が込められていたことに。

 もちろん、その多くはいわゆる“都市伝説”の類いで、尾ひれがついた話だとは思うけど、あながち作り話ですませるわけにはいかない気もする。

 ほら、童謡のメロディーって短調で、どこか暗い響きがあるじゃない。それがまた、コワさをよけいに演出するような気がするんだよね。

 そこで今回は「本当はコワい(と私が思ってる)童謡」について──。

◆『はないちもんめ』(作者不詳)

〈勝ってうれしいはないちもんめ 負けて悔しいはないちもんめ 隣のおばさんちょっと来ておくれ 鬼が怖くて行かれない お布団かぶってちょっと来ておくれ お布団ぼろぼろ行かれない お釜かぶってちょっと来ておくれ お釜底抜け行かれない(鉄砲かついでちょっと来ておくれ 鉄砲あるけど弾がない)
あの子が欲しい あの子じゃわからん この子が欲しい この子じゃわからん 相談しよう、そうしよう〉

──庶民が貧しい暮らしを強いられ、子供は口減らしのために都会に売られていた時代があった。勝ってうれしい、とは「買ってうれしい」という人買いの気持ちで、わが子の体重の一匁ぶんまで値段を負けて売ることになった親の気持ちが「負けて悔しい」と表されている、という説もある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン