国内

「RTは名誉棄損」に賠償命令 SNSからの撤退こそ身を守る

政界を引退しても話題に事欠かない(時事通信フォト)

 ツイッターで他人の投稿を転載するRT(リツイート=引用)で名誉を傷つけられたとして、元大阪府知事の橋下徹氏がジャーナリストに慰謝料など110万円の損害賠償を求めた訴訟で、橋下氏の訴えが認められる判決が出た。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ウソやデマが拡散されやすいRTの影響について、改めて考察した。

 * * *
 毎日新聞電子版の〈「リツイートは賛同行為」橋下氏への名誉毀損、ジャーナリストに賠償命令 大阪地裁判決〉という見出しとその内容を見てのけぞってしまった。

 橋下徹氏が大阪府知事時代、幹部職員を自殺に追い込んだという、第三者によるデマツイートをジャーナリスト・岩上安身氏がRTした(後に削除)ということが問題視され、岩上氏は33万円の支払いを命ぜられた。

 他にも多くのユーザーがRTしたのになぜ岩上氏だけが? という点については当時岩上氏は18万人のフォロワーがいたため、影響力があり橋下氏の社会的信用を低下させたと裁判所が認めた形となった。

 この記事を見た時に思ったのが、裁判というものは「やりやすい相手」からやるのが王道だということだ。橋下氏は頭がいい人物であり、匿名でフォロワーが少ない雑魚IDをいちいち相手にするよりも身元が明らかな実名でフォロワーの多い人物に絞った方が戦いやすいと考えたのだろう。

 何しろ匿名のユーザーは特定までに時間も手間もカネもかかり過ぎる。その点岩上氏のような著名人であれば、連絡先も公開しているだけに訴状を送ることも容易だ。一般のユーザーにも安易なRTやデマ拡散を委縮させる効果を狙えるだけに、橋下氏の戦略も理解できる。ただ、「RTだけでここまでのことになるのか?」とも感じる記事である。

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン