いま中国で進行しているのは人類史の中でも際立つ悪行であると福島氏は指摘する。
「習近平の究極の目的は、彼の掲げる世界戦略『一帯一路』の要の土地である新疆ウイグル自治区を制し、世界中に中華圏を拡大して、対米ヘゲモニー戦争に勝利することです。そのために1000年以上の歴史を持つウイグル人の文化や言語、民族的な価値観などを徹底的に排斥して、中国人と同化させようとしています。
このまま中国共産党のウイグル政策を放置すれば、ウイグル語とウイグル文化、音楽や文学や詩や絵画、民族固有の伝統美や習俗はこの世から消滅します。習近平が断行しているのは非人道的な民族浄化であり、ウイグル版の文化大革命なのです」(福島氏)
米国のポンペオ国務長官はウイグル人弾圧について「現代における最悪の人権の危機。今世紀の汚点」と中国政府を厳しく批判する。伝統あるウイグル人の歴史そのものを抹殺しようとする「文革」を止めるためには、国際社会の結束が求められる。
●取材・文/池田道大(フリーライター)