ビジネス

プレミアム軽の資質あるダイハツ「キャスト」が販売不振の訳

ダイハツ「キャストスタイル」のフロントビュー

ダイハツ「キャストスタイル」のフロントビュー

 近年、軽自動車といえども100万円をゆうに超えるクルマが多数販売され、より上質感や快適性、ファッション性を高めた“プレミアム軽”が人気を博してきたが、ここにきて失速ぎみだ。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が、ダイハツのプレミアム軽「キャスト」に試乗して、その要因に迫った。

 * * *
 ダイハツの軽乗用車ラインアップのなかに「キャスト」というモデルがある。プレミアム軽を標榜するホンダ「N ONE」、実用性とスポーティーな走りを兼ね備えた軽ホットハッチのスズキ「アルトRS」、そして、街乗りの快適性を重視した軽クロスオーバーSUVのスズキ「ハスラー」と軽の人気車種すべてに対抗すべく、1つのモデルを3種類にカスタマイズするという面白いコンセプトによって生み出された。

プレミアム軽の代表格、ホンダ「N ONE」

プレミアム軽の代表格、ホンダ「N ONE」

軽ホットハッチのスズキ「アルトRS」

軽ホットハッチのスズキ「アルトRS」

街乗りSUVの人気軽、スズキ「ハスラー」

街乗りSUVの人気軽、スズキ「ハスラー」

 そのうちN ONE対抗馬というミッションを負った「キャストスタイル」を700kmあまり走らせる機会があった。

 テストドライブ車はノンターボのトップグレード「G プライムコレクション SAIII」。エクステリアはブリティシュな印象の濃いグリーンメタリックで、ルーフはホワイトのフイルムで2トーン化されていた。合成皮革シート、ウッド超の加飾パネル、紫外線&赤外線吸収ウインドウ、革巻きステアリング、LED室内照明、オートハイビーム付きLEDヘッドランプ等々、これが軽自動車かと思うような装備が満載だった。

 そのキャストスタイルの印象だが、最大の特色は何と言っても、内外装のデザインの仕立てだ。

 まずはエクステリア。パッと見はちょっとカワイイという程度の印象なのだが、じっくり観察すると作り込みは非凡だ。フロントフェイス、ボディ側面からテールに至るまで、随所に非常に細やかな面の絞りが施されていた。全幅1480mm以内という軽自動車の枠の中でこれだけ情感豊かな面を実現させたデザイナーやクレイモデラーの苦労がしのばれるところだった。

 ドライブ中、最新のフランス車やBMWミニなど、デザインコンシャスなクルマと並べてみる機会が幾度もあった。ボディが軽サイズであるため、風景の中で単体で見るとそれほどインパクトはないのだが、それらのエモーショナル系モデルの横に置いても存在感を失わない。彼らが作ったとしてもおかしくないなと感じたほどだ。

「キャストスタイル」のヘッドランプまわり。ボディの随所に細やかな曲線がついている

「キャストスタイル」のヘッドランプまわり。ボディの随所に細やかな曲線がついている

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン