●ニワカのあり方その2「ひねくれた立場でワールドカップを楽しむ」
スタンダードに素直に盛り上がるばかりが、大きなスポーツの大会の楽しみ方ではありません。ひねくれたスタンスで対峙し、あの手この手で「ほかのヤツらとは違うオレ」を見せつけるのも、また一興です。
お手軽で手堅いのは、「日本代表チームばかりが注目されている状況を嘆くこと」でしょうか。「日本代表の勝ち負けなんかより、世界最高峰のプレーを楽しんだほうがいいよ」「こういうときに自分の国の応援しかしないのって、寂しい見方だよね」などと言えば、感心されたり尊敬のまなざしを向けられたりした気になれます。
もちろん気のせいで、むしろ人としての凡庸さや底の浅さを露呈しているだけですけど、そういうことを言うのがカッコイイと思って生きているなら仕方ありません。まして、ラグビーなんてこれまでロクに見たことがなかったニワカが言うのは笑止千万ですが、幅広いニーズを受け止めてくれるのがワールドカップの懐の深さです。
賢い自分をアピールしたいなら、来年に予定されている東京オリンピックを引き合いに出しつつ、日本人の流されやすさを嘆いたり、来年のオリンピックもまんまと盛り上がるだろうという予想を悲観的に語ったりするのが有効。たしかにその嘆きや心配はもっともなので、ある程度の賛同は得られるでしょう。同じ程度のウンザリも得られますけど。
また、こっち側の楽しみ方をしている人が身近にいたら、苦笑いしつつ生温かい目で見つめることで、勝手に勝った気になっている相手を返り討ちにした気になれます。それもまたワールドカップの楽しみ方のひとつ。ついうっかり「ニワカのくせになに言ってんだよ」などと口に出してしまわないように気をつけましょう。
まれに、俗世界に興味がないオレをアピールしたいのか、ワールドカップの話を振ると「へえー、そんなのやってたんだ。ぜんぜん知らなかった」と抜かすヤツもいます。興味がないのはともかく、本当に知らないとしたらあまりにマヌケだし、知っているのにそう言っているとしたらあまりにトホホ。この場合は、露骨に呆れた顔をしたり、なんだったら「はいはい」と口にしてもかまいません。
ともあれ、ラグビーワールドカップが日本で開催されるのは、たぶん一生に一度。それぞれの気分、それぞれのニーズに合わせて立ち向かいましょう。それがニワカとしての絶対に負けられない戦いです。ま、なにが勝ちで何が負けかはよくわかりませんが。あっ、これぞまさにノーサイドの精神ですね。