〈スタンドから中身が残っている缶ビール、紙コップが飛ぶ。「これがW杯? 金返せ」の意味だ。「国辱」と映った。観客が去り始め、「もう時間の無駄」とばかりにロスタイムはない。翌日から日本人は「145(失点)」などと、イジられた〉(『日刊スポーツ』2019年4月3日付)

 この時の「弱すぎる日本」のイメージは、世界のラグビーファンに深く刻まれている。そのため、前回W杯で日本が南アに逆転勝ちし大番狂わせを起こした際は“あり得ないことが起きた”という反応だった。

 南ア戦翌日の英BBCは〈誰もこんな結果を予想しなかった〉、英「ガーディアン」紙は〈二流国の日本がエリート国を破った〉と報じた。

 世界的ベストセラー『ハリー・ポッター』の作者である英国人J・K・ローリング氏は、驚きのあまりツイッターに「こんなストーリーは書けない」とつぶやいた。

 しかし、快勝したサモア戦はもちろん、その前の週に行われた格上のアイルランドからの勝利も、4年前と違って「まぐれ」とは思われていない。因縁の相手、ニュージーランドのメディアもこう報じている。

〈アイルランドは4年前の南アフリカと違って、日本を軽視していなかった〉〈(W杯開幕時に)世界ランク1位だった彼らは、それでも後半はゼロに抑えられた〉(「ニュージーランドヘラルド」紙)

〈日本はこの1年ほどの間に9点差でオールブラックスに勝ったアイルランドを破ったのだ。日本の攻撃はアイルランド選手に向かってあらゆる方向から吹き付ける突風のようだった〉(「スタッフ」紙)

※週刊ポスト2019年10月18・25日号

最後にもダメ押しの4トライ目を決めた(撮影/藤岡雅樹)

サモア戦でも勢いそのままに(撮影/藤岡雅樹)

福岡のトライも光りベスト8へ前進(撮影/藤岡雅樹)

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン