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歴史的敗戦から24年、何がラグビー日本代表を強くしたのか

なぜ強くなった?(写真/時事通信フォト)

 ラグビーW杯、日本代表の快進撃を、様々な国のメディア、ジャーナリストたちが賞賛している。ニュージーランドや南アフリカなどの強豪10か国は「ティア1」と呼ばれ、日本は「ティア2」。発展途上の国は「ティア3」というレベル分けがラグビーの世界ではある。ティア2の国である日本がティア1のアイルランドに勝ったというのが快挙なのだ。

 1995年W杯でのニュージーランド戦「17対145」の歴史的大敗は開催地に絡めて〈ブルームフォンテーンの虐殺〉と評され、観客席から缶ビールが投げ込まれた。2015年W杯の南ア戦勝利は誰も予想しなかった。歴史的敗戦から24年──何がここまで日本を強くしたのか。ラグビージャーナリストの村上晃一氏が言う。

「2012年にエディー・ジョーンズ氏がヘッドコーチ(HC)に就任したことで“世界と戦えるフィジカル能力”がどれほどのものかを肌で知り、実践的な練習をこなしてきた。自分たちでゲームプランを練り、勝つために各人がやるべきことをやる“考える集団”の土台ができあがった。

 現在のジェイミー・ジョセフHC体制では、ニュージーランド代表でスタンドオフとして活躍し、世界中からオファーの絶えないトニー・ブラウン氏を攻撃面のコーチに招聘したことが大きい。世界で戦える、より高度な戦略を手に入れることができた」

 日本と決勝トーナメントで対戦する可能性があるニュージーランド(オールブラックス)から見ても、脅威に映るようだ。ニュージーランド紙「スタッフ」は、アイルランド戦での日本の戦術を称えた上で、こう言及している。

〈我々はトニー・ブラウン氏に敬意を表する。そして昨年アイルランドに敗れたオールブラックスがどうして日本が見せたような攻撃をしなかったのだろうと思わざるを得ない。これは次期オールブラックスの攻撃コーチを誰にするのかという問題にも関わってくることだ〉

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