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「猫あるある」を憎らしくも愛らしく描いた作者の思い

「そこで研がないで」(イラスト/上田惣子)

 ベストセラー『自営業の老後』の作者でイラストレーターの上田惣子さん(55才)が、4匹の飼い猫に振り回される日々をコミカルに綴った『うちのネコ「やらかし図鑑」』が話題を呼んでいる。猫好きの間から「猫の“あるある”をよくもここまで憎らしくも愛らしく描いてくれた」との声が上がっているのだ。

「全国の猫の飼い主たちに『いろいろやらかされるけど愛おしいよね』と共感してもらえればうれしい」

 こう本への思いを話す上田さん。猫とは長いつきあいで、今年で30年目になるとか。

「これまで猫のイラストを描くことはあっても、猫との日々を描くのは今回が初めて。猫のやらかしネタを行動ごとに図鑑風にまとめようという話になって、どんなネタがあるかな~と思い出してみたら、芋づる式にどんどんネタが出てきました。しかも、飼っていると次々と事件が新しく起こるので、ネタには全く困らない(笑い)」

 本にも描き切れなかったネタも多数あるという。

「飼い猫の中で、お客様が来たら唯一顔を出してくれる『ポコ』がやらかした事件です。ポコはうちの“広報猫”なので、お客様がいらした時に顔を出してくれるのはうれしいんですが…。

 ある日、夫のお客様がいらした時に、そのかたの革ジャンにあろうことかおしっこを引っ掛けたんです! それも、去勢前独特のキッツいにおいのおしっこを!」

 これは「スプレー行為」と呼ばれるマーキング。去勢前の猫によくある行為で、自分の縄張りであることを示すためににおい付けをするのだ。

「そのにおいたるや、卒倒するほど。実際、革ジャンの持ち主は気絶しそうになっていて、こちらも土下座。最高級のクリーニングをしてお返ししました」

 このほか、上田さん自身もソファの上に置いておいた革のカバンにおしっこをかけられたり、お客さんの靴の中に吐しゃ物をされたりと、汚され被害は枚挙にいとまがないと苦笑する。

「“出しもの”以外のネタでは、部屋の角にある壁に頬をこすりつけてにおいをつけ続け、ついには壁紙が剥がれたり…。電化製品にせよソファやクッションなどの布製品にせよ、ほとんどが猫たちによって破壊され、原状をとどめていません」

 要するに、家中のモノが、猫によって盛大に被害を受けているわけだ。

「部屋が畑になった」(イラスト/上田惣子)

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