ビジネス

武蔵小杉のタワマン浸水被害 マンション市場に与える影響は

台風19号の影響で停電した武蔵小杉のマンション(時事通信フォト)

台風19号の影響で停電した武蔵小杉のマンション(時事通信フォト)

 台風19号による建物への浸水被害は、武蔵小杉(神奈川県川崎市)のタワーマンションエリアにまで広がり、大きな衝撃を与えた。いま、武蔵小杉に限らず多くのタワマン住民が懸念するのは、建物の脆弱性はもちろん、「資産価値が落ちてしまわないか」ということ。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、今回の台風がマンション市場全体にどんな影響を及ぼす可能性があるのか予測した。

 * * *
 武蔵小杉にあるタワーマンションが、台風19号がもたらした大雨によって浸水した件は、予想以上に大きな注目を浴びている。

 台風によって建物が損傷したわけではないにも関わらず、道路にあふれ出た雨水や下水が地下駐車場部分に侵入したことによって電力の供給が不可能となり、停電状態になったことが多くの人に衝撃を持って受け取られている。

 そもそも「タワマンは災害に強い」と思われてきたが、地下階が浸水したことで、現実的には居住不能となってしまったのだから、想定外の出来事だったことは間違いない。

 また、「武蔵小杉は水害に遭いやすいのか」という意外性も人々を驚かせた。タワマンが林立する武蔵小杉は、いかにも近代的で災害に強い都市だというイメージを人々に植え付けてきたはずだ。

「タワマンは意外に災害には脆弱かもしれない」──いま、そういう疑念が人々の間で広がりかけている可能性がある。ここで懸念されるのは、この出来事が武蔵小杉エリアに林立するタワマン群の“資産価値”にどのような影響をもたらすか、ということである。

 2011年に発生した東日本大震災を例に考えてみたい。あの時、東北地方を中心に多くの方々が犠牲となった。その被害が大きすぎたことによって、首都圏で起こった液状化についてはあまり報道されなかった。

 しかし、千葉県の新浦安エリアでは激しい液状化が起こり、地中にあった上下水道管が破壊された。水道の供給はもちろん、トイレも流せなくなったのだ。

 新浦安の液状化エリアには多くのマンションがあった。また、同じく千葉県の海浜幕張エリアでもJRの駅付近が激しく液状化した。新浦安と海浜幕張は、比較的新しい埋立地だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト