スポーツ

地方競馬の衰退と復活、26場が15場になるも地道な努力で回復

門別競馬場は1997年に開業した日本で一番新しい競馬場

 平成初期、中央競馬10場の他、地方自治体が主催する競馬が行なわれる地方競馬場が26場もあった。しかし、今残っているのは15場しかない。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、地方競馬の衰退と復活についてつづる。

 * * *
 昭和の終わりから平成初めの頃は中央競馬と同様、地方競馬も活況を呈しており、平成3(1991)年には、全国計9862億円という売上を記録した。しかしその年をピークに下降線をたどり始め、平成8(1996)年には6949億円と、わずか5年で30%もダウン、その後も下げ止まりの気配を見せなかった。

 黒字の時は自治体の財政に寄与していたが、赤字が累積すれば逆に圧迫する。競馬文化を支えようという機運はかき消され、ギャンブルの負のイメージとともに葬られる。

 平成13(2001)年に大分県中津競馬が廃止になってからは、足利・宇都宮・高崎の北関東3場をはじめ、地方競馬場らしい趣のあった島根県益田競馬場、山形県上山競馬場なども存続を断念。北海道でもナイター競馬が行なわれていた旭川や、ばんえい専門の北見競馬場なども廃止を余儀なくされた。

 そんな中でも中央競馬との相互交流は拡大していった。かつて大井のハイセイコーや笠松のオグリキャップなどが大舞台で走るには、中央競馬に移籍しなければならなかったが、平成7(1995)年以後、いくつかのステップをクリアすれば中央のGIレースに出られるようになった。

 この年笠松のライデンリーダーが4歳牝馬特別(現在のフィリーズレビューにあたる)で鮮烈な勝利をおさめて桜花賞で4着に好走、オークス、エリザベス女王杯にも出走した。また11(1999)年には岩手のメイセイオペラがフェブラリーSを制し、中央GIを勝った初の(そして最後の)地方競馬所属馬となった。さらに北海道所属のコスモバルクがGIの常連になるが、その後は中央で活躍する地方所属馬は減っていく。

関連キーワード

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン