ライフ

「若い者には負けない」を口にすれば認知症遠ざける可能性も

「まだ若い者には負けん」の意識が大事(Getty Images)

「アレだよ、アレ」──何気なく使っているフレーズがあなたの脳の衰えを加速させているリスクがある。特効薬のない「新たな国民病」である認知症だが、毎年の健康診断だけでは対応が遅れるリスクがある。そこで注目したいのが、日々の「口癖」だ。

 認知症の専門医である神奈川歯科大学附属病院高齢者内科の眞鍋雄太医師は、70代で最初に受診した男性患者の例を挙げて解説する。

「『もう歳だから』が口癖で、趣味や日課への関心を失っていく初期段階の認知症症状が見られました。長年続けていた将棋クラブ通いも、うっかり反則の手を打って相手を怒らせてしまったことで、『もう歳だから』と、やめてしまった。

 このままではどんどん症状が進行してしまうリスクがあると考え、“年齢は趣味をやめる理由にはならない”と説得したところ、『歳だけど頑張ってみようか』となり、クラブ通いを再開してくれました。これをきっかけに日常生活にも意欲が見受けられるようになり、80歳を超えた現在でも、症状は悪化していません」

 年齢を言い訳にしながら、「どうせ無理」「なんでもいい」「好きにしなよ」などの“無関心ワード”が口癖になっている人の脳内では、こんなことが起きていると考えられる。

「無関心の言葉を繰り返し使うことで脳の神経細胞活動が低下し、物事に対する意欲がなくなってしまう。記憶力に関係するアセチルコリン系細胞の機能も落ちるため、脳の処理速度が下がり、思考も前に進まなくなってしまう。そこで、そうした口癖を減らし、たとえば“まだ若い者には負けない”と意識して口にしていけば、それに伴って行動も積極的になり、認知症を遠ざけられる可能性がある」(眞鍋医師)

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン