国内

変動する気候 日本の四季から「秋」がなくなり“梅雨”に?

温暖化で日本の伝統料理が食べられなくなる!?

 猛暑と台風に見舞われる夏が終わったかと思ったら、札幌で初雪が観測され、すでに冬が訪れつつある。もはや暑いか寒いかの二択になってしまったかのようだ。

 世界気象機関(WMO)によれば2014年から2019年までの世界の5年平均気温は観測史上最も高くなった。気温の上昇の影響を受けて、台風は以前より大きく強くなる傾向があり、勢力を維持したまま日本列島に接近するようになった。

 また、気温が上昇して海面の温度が高くなると、海面からの蒸発が盛んになり、大気中に大量の水蒸気が供給される。この水蒸気をたっぷり含んだ雲が近づくと前線の活動が活発化、雨量も増加する。実際、気象庁の調査によれば2019年10月の降水量は平年の2倍を記録している。

 こういった状態が続けば日本の美しい自然が彩る「四季」がなくなると、自然災害に詳しい武蔵野学院大学特任教授の島村英紀さんが指摘する。

「このままだと、秋がなくなってしまう。ある意味“夏の終わりの風物詩”とされていた台風が、今は10月末になっても日本に接近して猛威を振るう。その時期は雨が降り続くので、秋晴れや紅葉を楽しむことが難しくなっている。暑くて長い夏が終わったら急に冬が来る。桜の開花もどんどん早まっており、運動会も春に開催されることが多くなってきた。日本人の季節感はずいぶん変わっていきそうです」(島村さん)

 気象予報士の森田正光さんは四季の中に「梅雨」が誕生する可能性すらあるという。今年の梅雨の時期は、東京都心で33日連続の降水や、19日連続で日照時間が3時間未満を記録し、いずれも過去最長だった。

「夏の期間が延び、降水量も増えているというのがその理由です。もし北海道にも梅雨が定着すれば、季節の1つになってしまう日も来るかもしれない」(森田さん)

◆寿司が消える日がやってくる!?

関連キーワード

関連記事

トピックス

前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト