気候変動による被害は私たちの生活をも蝕んでいる。
まず挙げられるのは、食卓の変化だ。天候不順が野菜の高騰をもたらすのはもちろんのこと、魚介類への打撃も大きい。
「海水の温度は海の生態系に大きな影響を及ぼします。そのため日本近海で魚が捕りにくくなるかもしれません」(森田さん)
東京大学大気海洋研究所教授の伊藤進一さんの研究によれば、水温上昇に伴って生息地が北へ追いやられ、国産の鮭、イクラ、しゃこは2050年までに消滅するという。そのうえ水温上昇による生理障害や海藻類の消滅などであわび、帆立、うにが食べられなくなる可能性があるとすらいわれているのだ。
加えて、ただでさえ低い日本の食料自給率がさらに低下することも予測される。すでに米ネブラスカ州やオクラホマ州では、長期にわたる寒波の停滞で春の到来が遅れ、種まきができなかった影響でトウモロコシや大豆などの発育に被害が出るとの報告がある。
「日本国内でも温暖化の影響で二毛作ができなくなったり、野菜の取れ高が変わったりするなどの影響が予測されます」(島村さん)
※女性セブン2019年11月28日号