佳子さまもいずれは…?(写真/共同通信社)
「ただ、“新たな論点”となり得るのが、2017年9月に眞子さまとの婚約内定が発表された小室圭氏の存在です。発表後、小室氏の母・佳代さんの金銭トラブルが表面化。今後、2005年の報告書に沿ったかたちで皇室典範が変われば、眞子さまとの結婚後には、小室氏が皇族になる。国民的な反発感情が広がらないかという懸念がある。眞子さまと小室氏の結婚後に制度が変わればそれは避けられるが、今度は眞子さまは一般の人に、佳子さまが(結婚後も)皇族のままという“姉妹の差”が生じてしまう」(皇室ジャーナリスト)
加えて、「女性宮家」を巡る議論は、父方に天皇がいる男系男子に皇位継承を限定しない「女性天皇・女系天皇」容認の議論にもつながっていく。前述の時事通信の記事では〈「女性・女系天皇」の議論を先送りする〉とされていたが、2005年の有識者会議報告書では容認とする方向性が打ち出されていた。皇室研究者の高森明勅氏が指摘する。
「女性宮家の創設は、女性天皇、女系天皇の議論とセットで取り組まなければ意味がありません。女性皇族がご結婚で皇室を離れていけば、若い世代の皇族が悠仁親王殿下お一人になってしまう。そして、悠仁親王殿下のお后となる女性は、男子を産まなければ皇室が途絶えてしまうという巨大な重圧に晒されます。
そういう未来が予見されれば、そもそも皇室に嫁ごうという女性が現われるかもわからない。だからこそ眞子内親王殿下や佳子内親王殿下、愛子内親王殿下のご結婚前に、皇族に残っていただける制度にするとともに、女性天皇・女系天皇の議論を進める必要があります」
「女性天皇」が認められれば今上天皇の長女である愛子内親王が皇位継承権を持つことになり、「女系天皇」が実現するなら“愛子天皇”が結婚して生まれた子供にも皇位継承権が生じる。
「この議論は、愛子内親王殿下と悠仁親王殿下のどちらが天皇になるか、といった属人的な話になりがちですが、あくまでどうすれば安定的に皇位継承ができるルールになるかを考えて議論すべきです」(同前)