もちろん、皇室の伝統である「男系男子」を維持するべきという立場も根強くある。即位礼正殿の儀の翌日となる10月23日には、自民党の議員グループ「日本の尊厳と国益を護る会」が「男系男子」を維持した上で、「旧宮家の男性の皇籍復帰」を可能とする法整備を求める提言を発表。女性宮家創設に「反対」を明言する國學院大學名誉教授の大原康男氏はこういう。
「昭和22年にGHQの経済的圧力によって皇籍を離れた、元皇族の方々がいらっしゃいます。そのような元皇族のご子孫に、再び皇籍を取得していただく。そうすれば宮家を増やすことはできます。小泉内閣の議論があった当時から、安倍首相はそう考えていたし、今も変わっていません」
秋篠宮家に深く関わる難題は、いずれも簡単に結論が出るものではないが、結論を出すべき期限は迫っている。令和皇室はそんなジレンマを抱えて歩み出した。
※週刊ポスト2019年11月29日号