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遺族が語る「ミッドウェー」 空母・飛龍は発見されるか

今年10月、ミッドウェー沖海底で発見された空母「加賀」(写真:AP/AFLO)

 北太平洋・ハワイ諸島北西にある環礁ミッドウェー。この地で1942年6月に日米の海軍が雌雄を決したミッドウェー海戦がにわかに注目を集めている。

 11月8日には同海戦を題材にした映画『MIDWAY』(原題)が全米公開され、北米映画興行収入ランキングで初登場1位を記録した。同作では『インデペンデンス・デイ』『パトリオット』を手がけた巨匠ローランド・エメリッヒ監督がメガホンを握り、豊川悦司が日本軍人役でハリウッドデビューを飾った。日本公開は2020年秋の予定だ。

 10月下旬には米マイクロソフト共同創業者のポール・アレン氏が設立した財団の調査チームが、同海戦で沈んだ日本海軍の航空母艦「加賀」と「赤城」を水深約5000m地点で発見したニュースが世界を駆け巡った。周辺海底には航空母艦「飛龍」と「蒼龍」も沈没しており、調査チームは今後も探索を続けるとされる。

「もちろん飛龍が見つかってほしいし、できれば引き上げてほしいですよ。でも実際に見つかってみないと、どんな気持ちになるかわからないな」

 そう語るのは、同海戦で戦死した山口多聞中将(開戦時少将)の三男で神奈川県在住の山口宗敏さん(87)。多聞中将は「飛龍」、「蒼龍」を旗艦とする第二航空戦隊の名司令官として、1941年12月の真珠湾攻撃を勝利に導いたことで知られるが、息子にとっては「普通の父親」だった。

「世の多くの人は『軍人・山口多聞』を語りますが、私にとっては普通の父親でした。1年のうち自宅にいるのは40日ほどで、あとは艦隊乗務か戦場で過ごしており、真珠湾攻撃後に帰宅した際も『おれは何もしていない。みんな部下がやってくれた』と言葉少なでした。私は親父から『軍人になれ』と言われたことは一切ありませんが、『御国のためにまっすぐな人間になれ』と言われたことはよく覚えています」(宗敏さん)

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