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2019.11.29 07:00  NEWSポストセブン

牛角、かっぱ寿司に続き「大戸屋」買収も狙う外食企業の野望

創業家と骨肉の争いを繰り広げた窪田健一・現社長

創業家と骨肉の争いを繰り広げた窪田健一・現社長

 一方、前代未聞ともいえる創業家と窪田社長ら現経営陣との骨肉の対立で、“漁夫の利”を得る形になったのがコロワイドであった。

 コロワイドはもともと神奈川県逗子駅前で1963年に甘味処「甘太郎食堂」を開業したのが始まりだ。1970年代に郊外型ファミリーレストランが勃興、近くの藤沢市でも「すかいらーく」や「デニーズ」のファミレス戦争が勃発した。

「甘太郎」の2代目社長・蔵人金男氏はそんな状況に危機感を募らせて、1977年10月、全品220円均一(翌年全品440円均一に値上げ)の炉端焼き業態「手作り居酒屋 甘太郎」を開業、大繁盛させた。商圏の狭い逗子市で大ヒットしたことが自信となり、神奈川県内に集中的に店舗展開を進めた。

 蔵人氏は若いころ、日本フードサービス協会(JF)の勉強会などにも出席し、チェーン理論を学んだようだ。蔵人氏が最も影響を受けたのは、郊外型ファミリーレストランを1970年から展開したすかいらーくだ。1977年に東洋一のセントラルキッチン東松山工場(現松山MD〈マーチャンダイジング〉センター)を竣工。農業生産者から直接食材を仕入れ、工場まで運びメニュー開発、調理、物流、店舗まで配送する一貫したシステムを築いた。

 これによって一般的なルートを使うよりは3~5%はコストが安くなった。すかいらーくが急速に店舗展開できたのは、「よりよいものをより安く」というマス・マーチャンダイジングを実践してきたからだ。

 蔵人氏は1986年には逗子市に食品加工工場を作り、スケールメリットを追求した。コロワイドが高収益居酒屋チェーンとして急成長したのにはいくつかの要因がある。

 まず店舗のドミナント展開による知名度アップと効率化、次にセントラルキッチン(集中調理施設)と物流ルートの構築、その次に現金決済による店舗づくりや食材原価の低減化を図った。1993年には「甘太郎 海老名2号店」で全席に無煙ロースターを導入、メニューに焼肉を取り入れ、客単価を4000円~5000円の高収益居酒屋チェーンに脱皮させた。

 1999年10月に現ジャスダックに上場、2000年10月に東証二部、2002年9月に東証一部に上場。コロワイドは先行する居酒屋チェーンのモンテローザやワタミを企業規模であっさりと追い抜いた。

 その原動力となったのが、M&A戦略である。蔵人氏は1993年に岡三証券から転職し、右腕となった野尻公平現社長と2002年から現在に至るまで、合計17回ものM&A戦略を実施してきた。「蔵人家の番頭」を自称する野尻社長とはよほど相性が良かったのだろう。

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