米ハーバード大が約1万5000人を25年間追跡した調査でも、最も死亡率が高かったのは、食事に占める炭水化物の割合が3割以下の人だった。新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦医師が解説する。
「糖質は体を動かすために必要不可欠なエネルギー源であり、長期にわたって不足すると様々な悪影響が生じます。とくに危険なのが、糖質を制限しながら、たんぱく質を多く摂取することです。
2012年に米国、ギリシャなどの研究チームが4万人を15年間追跡した調査では、『炭水化物を20g減らしたうえでたんぱく質を増やす場合、たんぱく質が5g増えるごとに心筋梗塞と脳卒中を合わせた発病率が5%ずつ高まる』との結果が出ました。炭水化物を減らした代わりに、肉などのたんぱく質を多く摂るメニューは避けるべきでしょう」
美味しい食事は人生の彩りになる一方で、摂取量や食べ方を間違えれば寿命を縮めかねない。健康寿命を延ばして食生活を楽しむために、正しい情報を知っておくことが肝要だ。
※週刊ポスト2019年12月13日号