お腹を下すことは誰しもあるが、タイミングよくトイレに入れるとは限らないのがつらいところ。福岡県の飯田育代さん(35才・仮名)がこぼす。
「職場の懇親会のあと急にお腹が痛くなって。トイレに行きたかったけれど、女子トイレはどこも行列。終電に乗らなくてはならず、仕方なく持ち歩いていた下痢止め薬をのみました。事なきを得てなんとか帰宅はできたものの、その後1週間近く下痢に苦しみました」
薬剤師で銀座薬局代表の長澤育弘さんが言う。
「下痢は悪いものを出すための生体反応。基本的に脱水症状が心配な時以外は止めてはいけません。下痢止め薬の中には腸の蠕動運動を止めるものがあります。食中毒などのウイルスや細菌が腸内にある時に排泄を止めると、結局病原体が長い間腸内にとどまり、腹痛や下痢が長期化してしまうことがあるのです。外せない約束があるなどで、どうしても下痢を止めなければならない場合は、腸管運動抑制成分の入っていないものを選び、整腸剤と組み合わせて使いましょう。
また、慢性的な下痢や過敏性大腸炎などの場合も、市販の下痢止め薬の服用は控えるべきです」
まずは脱水症状を避けるために、スポーツドリンクなどで補水をしたうえで様子をみる。2日以上続く場合には消化器専門医を受診しよう。
※女性セブン2019年12月19日号