国際情報

韓国の「安倍政権が諸悪の根源」という言い分に潜むワナ

なぜ韓国は安倍政権を叩き始めた?

 日本の終戦記念日である8月15日は、韓国では独立を記念する「光復節」だ。それに加えて文在寅政権は、8月14日を「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」という祝日に定めた。このことに代表されるような韓国の対日行動原理に「恨(ハン)」という特有の精神があることを著書『恨の法廷』(1991年)で言及していたのが、「週刊ポスト」で『逆説の日本史』を連載中の作家・井沢元彦氏である。

 韓国における「恨(ハン)の精神」は、日本での「恨(うら)みの心情」とは似て非なるもの、もしくは全く異なるものである。中国王朝の影響下に置かれた時代が長い朝鮮半島の国家は、解消困難な抑圧状況に対する怒りや不満、あるいは抵抗心を、逆に「生きるエネルギー」に転換させようとした。その状態を「恨(ハン)」という。2019年8月14日に改めてソウルを訪れた井沢氏が、「反日の正体」をさらに深く取材したレポートをお届けする。

 * * *
 翌15日は朝から激しい雨が降っていたが、文在寅大統領は天安(チョナン)市の独立記念館で大勢の来賓を前に大演説を行なった。ただ日本国内でも報じられたように、文氏自身は反日の度合いを少しトーンダウンさせた。前日の、自ら主導して定めた「慰安婦の日」に行なわれた南山の慰安婦像の除幕式にも出席しなかったし、この日の演説でもこれまで口にしていた「盗人猛々しい」などという罵詈雑言は封印していた。そして「日本が対話と協力の道に出てくれば我々は喜んで手をつなぐ」という言葉で日本関係の話を締めくくった。

 しかしよくよく事実を振り返ってみればわかるとおり、徴用工問題でも慰安婦問題でも日本は一貫して話し合おうという姿勢を崩していない。とくに徴用工問題は、国際条約に違反する形で韓国が押し切ろうとしたのが問題の発端だ。日本はあくまで話し合いを求め何度も申し入れをしたのに、それをことごとく無視したのは韓国のほうである。それを考えれば「日本側が対話と協力の道に出てくれば……」などという言い方が、その場限りのいかに不誠実な態度かわかるだろう。

関連記事

トピックス

世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン