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災害時はペットとの「同行避難」推奨されるが、その実態は…

スムーズに避難できるよう、普段からケージやキャリーケースに慣らしておくことも大切。さらに飼い主とはぐれた時のことも考え、名刺やマイクロチップを装着しておこう

 2019年10月、関東や甲信、東北地方に甚大な被害をもたらした台風19号。各地で避難勧告が発令されたものの、ペットの受け入れを拒否され、自宅待機を余儀なくされた人も。災害時、ペットと飼い主はどう安全を確保すべきかを考える。

 2018年に環境省が発行した「人とペットの災害対策ガイドライン」によると、災害時、飼い主にはペットと一緒に避難する“同行避難”が推奨されている。

 これは、災害時にペットと飼い主が離れ離れになった場合、保護するのは非常に困難な上、その間にペットが負傷したり、衰弱したり、死亡する恐れもあるからだとしている。

 しかし、同行避難とは、あくまで飼い主とペットが避難所まで“行く”ことを表しており、避難所の中にペットを入れることはできない。避難所には、動物アレルギーの人や、鳴き声・においなどを不快に思う人もいるからだ。
 
 2019年10月の台風19号の時も「ペットは屋外に」と、一緒に中に入れてもらえないケースがほとんどだった。そのため、避難所の方がペットには危険だと、自宅に戻る飼い主も多かったという。

 このように、国はペットとの避難を推奨しているものの、その避難の実態は、ペットや飼い主にとって安全なものではないのが現状なのだ。

◆避難所だけに頼らない独自の準備が大切

 同行避難の受け入れ方法については、各自治体や避難所に委ねられている。

 台風19号の際に、ペットも一緒に屋内に避難できるスペースを作った避難所や、屋内が確保できなくても、安全を確認した上で屋根のあるスペースなどで受け入れた自治体もあった。

 埼玉県さいたま市では台風19号の際、ペットの飼養スペースを屋内外に設けたが、この経験を踏まえ、今後、風水害も想定した飼養スペースの再検討を行っていくという。

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