その中でアダ花のように人気が出たのが六人組のグループ「ザ・ハンダース」だ。その内の一人佐藤茂樹(桜金造)が私は大嫌いだった。何故なら駿台予備校に通う浪人だった彼は東大を目指していることを売り物にしていたから。しかし彼が通っていたのは駿台でも無試験で入れる昼間部で、東大の入試よりも入るのが難しいと言われていた午前部ではなかったのだ。
ところで私は「花より団子」という天才落語少年のことがずっと気になっていた。五週勝ち抜いたのに彼はプロの道に進まなかった。そんな彼は十七歳の時に桂枝雀に弟子入り。つまり桂雀々の少年時代だったのだ。私は驚きつつ、さもありなんとも思った。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号