◆高濱正伸さん(花まる学習会代表)が選ぶ2019年の3冊
『歌集 20÷3』小林理央(KADOKAWA)
5~15才までに詠んだ264首に、一人の女の子の育ちが見える。作者は短歌で「世界」を自分の言葉にしてきた。幼児期からこんな世界の見方をし、言語化までしている経験は強い。それを遊びとしてやってきた点も、家庭教育の新たなお手本になるのでは。
『若い読者に贈る美しい生物学講義 感動する生命のはなし』更科功(ダイヤモンド社)
『AIに負けない子どもを育てる』新井紀子(東洋経済新報社)
◆東直子さん(歌人、作家)が選ぶ2019年の3冊
『愛が嫌い』町屋良平(文藝春秋)
恋人、家族、友達など、私達は社会の中で細分化された関係を信じて日常生活を送っているのだけれど、多様化する「愛」の価値観は、そのカテゴライズにとても追い付かないんじゃないかと思う。この小説は、それを、やさしく苦く新しく解いてくれる。
『掃除婦のための手引き書―ルシア・ベルリン作品集』ルシア・ベルリン 訳・岸本佐知子(講談社)
『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』斉藤倫 画・高野文子(福音館書店)
※女性セブン2020年1月2・9日号