ライフ

英国で有色人種として生きる人々の多彩な人生を描く名著

『よい移民 現代イギリスを生きる21人の物語』

 年末年始はゆっくり腰を据えて本を読む絶好の機会。2020年は果たしてどんな年になるのか? ノンフィクションライターの与那原恵氏が選んだ2020年を読み解く1冊は、『よい移民 現代イギリスを生きる21人の物語』だ。

●『よい移民 現代イギリスを生きる21人の物語』/ニケシュ・シュクラ・編 栢木清吾・訳/創元社/2400円+税

 二〇一八年末、「入管法」の一部が改正されたと同時に、政府は「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」をとりまとめた。外国人と日本人との共生社会の実現をめざしていく、とうたうが、外国人は一時的に日本で働く労働者であり、移民を受け入れるのではない、という論理を貫いている。今日の日本が多くの外国人の働き手に頼っている中、一時的な労働力とみなしていてよいのだろうか、大いに疑問だ。

 私は埼玉県川口市の芝園団地を取材したことがある。住民の半分が外国人で、日本人住民との間に生活上のトラブルなどが生じた時期もあったという。けれど、自治会などが中心となり、ゴミの捨て方などをわかりやすく示したチラシを配布するなどし、トラブルは解消されている。

 とともに、外国人の文化や価値観も理解することにも努めており、祭りや行事などを通じて、互いの顔が見える交流を重ねてきた。芝園団地の取り組みは、これから「移民社会」を迎える日本にとって貴重な実例といえる。日本で働く外国人の多くは家族とともに暮らしている。日本で生まれ、成長する子どもたちが今後も増えていくだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン