若い頃に理論を持って野球ができていれば、成績が落ちても底なし沼にハマらず、抜け出せただろうな。もちろんコーチの助言はありますが、プロは自分で自分の状態を判断し、最後は自分の中で消化できないといけません。
ヤクルトに生え抜きで残っていれば、今頃は監督になれていたかもしれないが、お山の大将で終わっていたかもしれない。色々な経験を経たからこそ、今では野村監督に教わった理論にオリジナルを加えられて、自分では野村理論を越えたと思っています。
それを後輩に指導しても面白いけど、一番は今の理論を身につけたまま20代の肉体に戻って野球をやりたい。物凄い成績が残せると思います。
●ひろさわ・かつみ/ヤクルト、巨人、阪神で4番を任され、通算1736安打、306本塁打を記録。引退後は阪神の打撃コーチ、カンボジア代表のコーチも務めた。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号