国内

桜えびが記録的不漁、南海トラフは起きかけているとの指摘

巨大地震は来るのか--(時事通信フォト)

 茨城県南部震度4、千葉県北西部震度2、茨城県北部震度4、栃木県北部震度3、福島県沖震度3…。

 2019年の師走は、関東とその周辺で地震の観測が相次ぎ、「ひょっとすると大地震の前触れではないか」と危惧する声が専門家からあがった。

 立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学さんは「南海トラフ地震」との関連を指摘する。

「地震は地中にあるプレート(板状の岩盤)のズレで発生します。最近、茨城県の南部で発生した地震は、千葉県からフィリピンまで続く『フィリピン海プレート』が、東京湾の入り口にある『相模トラフ』から下に沈み込んで起きたものと考えられます。今後、フィリピン海プレートがさらに動き、日本列島の南西側が乗っかっている『ユーラシアプレート』の下に沈み込めば、伊豆半島から高知県西部にかけての南海トラフ地震や首都直下地震、さらに南海トラフだけにとどまらず、琉球トラフ~台湾~フィリピンまでの広範囲でスーパー南海地震が発生する恐れがあります」

 政府の地震調査委員会は、今後30年以内にマグニチュード(以下、M)8~9クラスの南海トラフ地震が70~80%の確率で発生し、23万1000人の死者が出ると想定する。

 高橋さんは「すでに南海トラフ地震の予兆はあります」と続ける。

「2019年は紀伊半島と四国の間にある紀伊水道や、四国と九州の間にある豊後水道などでも震源の深さが40km程度の、南海トラフ地震と同じ深さを震源とする地震が目立ち始めています。震源が10km程度であれば内陸直下型地震であり、狭い範囲の被害ですが、40kmを超えるとなると、非常に広範囲に津波による被害を発生させる。つまり、“すでに南海トラフ地震は起きかけている”と言えます」(高橋さん)

 ほかにも、南海トラフ地震の予兆とされる出来事がある。

 武蔵野学院大学特任教授で地球物理学者の島村英紀さんが指摘するのは、駿河湾(静岡県)の記録的な桜えびの不漁だ。

「駿河湾にある『駿河トラフ』は南西に伸びていて、そこからフィリピン海プレートが潜り込むことでも南海トラフ地震は発生します。桜えびは駿河湾でしか捕れないものですが、最近、駿河湾の水深200~350mに生息する桜えびの不漁が続くのは、フィリピン海プレートの活性化で駿河トラフ付近に何らかの“異常”が発生したからと考えられます」 

 迫っているのは、南海トラフ地震だけではない。高橋さんは、大地震が起きてから、数年後という短い期間に、連鎖的に発生する「アウターライズ地震」のリスクを指摘する。

トピックス

中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《24歳の誕生日写真公開》愛子さま、ラオス訪問の準備進めるお姿 ハイネックにVネックを合わせて顔まわりをすっきりした印象に
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン