過去に掲載されたスタッフ日誌(2015年のものですが)によれば、3班が一日中100組以上のYOUに声をかけ続けても密着OKはゼロだったという。HPに掲載されたスタッフの姿を見ると、心なしか顔色が悪いような…。
また、衛星写真で見つけた山奥の一軒家を探す『ポツンと一軒家』は、そこに住む人の人生や生活ぶりがメインだが、実はその家にたどり着くまでがひとつの山場。カメラは取材車からの景色をずっと映し続ける。スタッフはまず、ふもとで近所の人に聞き込みをするが、人影がない地域も多く、人がいただけで「いたっ!!」と喜ぶのだ。そして山道に入ると「うわ、きれい川の色」「細いですね…」「落石が」「タイヤパンクパターンだから慎重に」などと言いながら、ガタガタと進んでいく。視聴者も同じ目線で捜索している気分になれるのがミソである。
取り上げた番組がいずれもヒットしている。スタッフの言葉も感想も制作過程も番組の大事な要素。撮って出し映像のように見えて決してそうではない。誰もが動画を発表できる今、プロらしい慎重さと構成力が番組を支えているのだとよくわかる。スタッフのどんな声が番組を引っ張っているのか? 深読みするのも面白い。