絶望から解き放たれたゴーン氏は、どんな反撃に出るつもりなのか。そのヒントは、12月20日(逃亡9日前)の本誌・週刊ポストとの面会時に語られていた。
「フランスでは、私についての本が数冊進んでいる。アメリカでは、私をモデルにした映画も計画されている、これはフィクションだ」
会見後、海外メディアを通じて、フランス人ジャーナリストによる本の出版、ハリウッドでの映画化計画などが次々と明かされている。ゴーン氏は海外の目を通じて、日本での出来事を告発していこうとしているのだ。
しかし、だからといって日本の世論を気にしていないかといえば、彼の本音は違う。
「ゴーン氏は他の世界的企業からのオファーを断わって17年もの間、日本企業に尽くし、子供たちも日本で育てたという思いがある。日産や司法には反撃しながら、日本人からの理解は得たいと考えているはずだ」(ゴーン氏の関係者)
ゴーン氏と日本との関係は、まだ終わったわけではない。
●取材協力/宮下洋一(在欧州ジャーナリスト)
※週刊ポスト2020年1月31日号