スポーツ

松木安太郎氏ほど審判と戦う解説者はいない 研究家が分析

松木安太郎氏は、解説席で「戦う姿勢」を見せている

 サッカー解説者・松木安太郎氏は、ピッチ上の審判といかに戦ったか──。サッカーU-23アジア選手権で、サウジアラビア、シリアに連敗を喫しグループリーグ敗退が決まった日本は、1月15日に開催された3戦目のカタール戦も1-1の引き分けとなり、3戦未勝利に終わった。その試合の後半31分、審判がカタールにPKを与えると、テレビ朝日系列の中継で中山雅史氏とともに解説を務めていた松木氏は、次のように激怒した。

「え? なんだよ、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)見ないのか!? えっ? 見ないのか? えっ? あっ。見ないのか? 見ないのか? なんなんだ、これ。なん……なんで見ないんだ、これ。えっ!? なんで確認しないんだ!」

 松木安太郎研究家でライターの岡野誠氏が「日本×カタール戦」を例に、「松木安太郎×審判」という観点から分析する(※時間表記はテレ朝の中継を基準)。

 * * *
 アディショナルタイムを含め99分間に及ぶ試合で、松木氏が審判の判定に言及したシーンは前半9回、後半8回を数えた。審判がどんな判定を下し、その前後に松木氏が何と叫んだのかを挙げてみよう(※注:1つの出来事で1回とカウント。松木氏のコメントの途中、実況の進藤潤耶アナや中山氏が口を挟んでいる場合は状況に応じて明記することも)。

・前半8分
審判:MF食野亮太郎にファールの判定。
松木氏:あ、いいですねえ。いや~今のね、ファールですか。
(※注:途中、「あぉお~~~!」という叫びも聞こえるが、中山氏の声と判断。松木氏と中山氏の声はともに甲高いく判別しにくいが、約20回繰り返し聞いて結論を下した)

・前半12分
審判:MF旗手怜央のドリブル突破をカタールの選手が手で阻止したように見えたが、笛はならさず。
松木氏:ファールはないのか。止めた感じありましたけどね。

・前半13分
審判:MF田中駿汰からゴール前のMF旗手へスルーパスが通ってシュートも、副審のフラッグが上がる。
松木氏:オフサイドか(やや不満げに)

・前半42分
審判:カタールにハンドの判定。
松木氏:ハンドでしょ、ハンドでしょうね。

・前半42分
審判:DFハラフとMF食野が小突き合うも、警告などは出ず。
松木氏:これ、もうレフェリーの判断ですからね。

 ここまでの松木氏は審判の判定に「納得」1回、「不満」3回、「移譲(※注)」1回。5度中4度も、松木氏が丁寧語を使用する展開だった。

【※注:移譲とは「対等の立場にある者の間で、権利・権限が譲り渡されること」を意味する。本来、松木氏に判定を下す権利はなく、対等な関係とは言い難いが、この記事では「松木安太郎×審判」という視点で捉えるため、あえてこの単語を使用する】

関連キーワード

関連記事

トピックス

およそ揉め事を起こしそうにない普通の人たちがカスハラの主役になっている(写真提供/イメージマート)
《”店員なんて赤の他人”的な行為が横行》条例施行から2か月、減らないカスハラの実態 都内のコンビニ店員が告白「現役世代のサラリーマンが…」品出し中に激突、年齢確認にブチ切れ、箸に”要らねえよ”
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン