ビジネス

自動運転 「レベル3実用化」で車両価格は確実にアップする

日産自動車の先進運転支援システム「プロパイロット2.0」

日産自動車の先進運転支援システム「プロパイロット2.0」

 クルマの自動運転化の流れは、各メーカーがこぞって技術開発に取り組み、すでに“手放し運転”の実験走行はあちこちで行われているが、いったいどこまで実用化できるレベルにあるのだろうか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が、自動運転技術の最新動向をレポートする。

 * * *
 2020年は、クルマの自動運転に関して節目の年になりそうです。自動運転技術レベル3が実用化されそうなのです。実際のところ、レベル3は実用化間近と言われながら、何年も足踏み状態でした。なぜなら、技術的に難しいだけでなく、法律的にもクリアすべき問題が存在していたからです。

 では、レベル3とはどの程度のレベルなのかを解説します。

 まず、自動運転といえば、誰もが「何もしなくても目的地まで勝手に運んでくれる」ことをイメージするでしょう。しかし、現実的にその実現は、もう少し先の未来になります。しかし技術は〇か×かではなく、少しずつ目標に向かって高まっていくもの。自動運転技術も同様で、できることが徐々に広がっていき、最後はイメージ通りに「すべて自動」にたどり着くことになります。

 そのため、今できることをレベル分けして把握しようと、自動運転技術のレベルが0から5まで設定されています。

【レベル0】何も自動運転化のシステムのないこと
【レベル1】前後方向、もしくは横方向という一方向のみをシステムが操作する
【レベル2】前後と左右の二方向の操作をシステムが操作する

 レベル0~2までは、すべて人間のドライバーが運転を監視し続けており、問題が発生したときは、人間のドライバーが運転操作を行います。

 そして、【レベル3】は、高速道路など限定的なシチュエーションでシステムが運転を実施。そのときドライバーは監視しなくても構いません。ただし、システムだけの運転が困難になると、運転操作を人間のドライバーが代わって行います。

【レベル4】は、システムが運転すべてを担い、問題が発生しても、人間の乗員は何もしなくても構いません。ただし、場所や速度などのシチュエーションは限定的です。

 最後の【レベル5】は、シチュエーションの制限なしに、すべての運転操作をシステムが行います。いわゆる完全な自動運転のイメージに合致するのが、このレベル5となります。

 こうした0から5までのレベル分けがある中で、現在、すでに実用化されているのはレベル2まで。高速道路でのハンズオフ(手放し)を可能とする日産のプロパイロット2.0(スカイラインに搭載)も、残念ながら、まだレベル2というのが実情です。

 これだけ自動運転に注目が集まっており、世界中の自動車メーカーが熱心に開発を進めているのですが、それでもレベル3はなかなか実用化できませんでした。

関連記事

トピックス

世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン