「ミネルバ大学の学生は1年生であっても27~28才の社会人のように感じるしっかりした人が多い。彼らのような学生が将来、私たちの上司になるのだなと感じたこともあります」
新しい価値観を持って進学しようとする子供が増える一方で、自分たちの時代を引きずり、旧来の「大学受験」のイメージにとらわれる親や教員も多い。大学通信・安田賢治さんはこう言う。
「オープンキャンパスに親御さんがついてくるのは今や当たり前です。過保護といえばそうかもしれませんが、見方を変えれば、一緒に考えてくれる大人がいるともいえる。しかし、そのアドバイスが時代錯誤では意味がない。たとえば、『名前を知っている大学の滑り止めをたくさん受けなさい』などというのは親の受験時代の感覚。今はそんな時代ではないのです」
梅澤さんも、「ギャップ」を感じた1人だ。
「高校の三者面談で『海外の大学に行きたい』と言ったのですが、前例がないようで先生にもまともに受け取ってもらえませんでした。『それより東大や京大はどうかな?』と言われるんですよね。こういうことはあちこちで起きているかもしれません。両親は同級生たちの進学先が決まり始めると心配になったようでしたが、最後まで応援し続けてくれました。結局、日本での大学受験はセンター試験だけにとどまりました」(梅澤さん)
とはいえ、将来子供に後悔してほしくない一心で、口を出してしまいたくなるのが親心だ。自分が経験したことのない新しい大学受験を前に、親はどうあるべきか。山本さんはこんなアドバイスを送る。