ライフ

猫への避妊・去勢手術実施率81% そのメリットとデメリット

避妊・去勢手術済みの野良猫は、耳がV字にカットされている。これは野良猫が増えすぎないための、ボランティア活動の一環で、全国に広まりつつある(麻酔が効いている時に切るので、痛みはないという。写真/GettyImages)

 健康な愛猫の体にメスを入れるのはかわいそう…そういった理由で、避妊・去勢手術に抵抗を示す飼い主が多いのだとか。しかし、猫のストレスを軽減したり、病気の予防になるなどの利点も。今回は避妊・去勢手術のメリットとデメリットを解説する。

 メスの場合、最大のメリットは“乳腺腫瘍”の発症リスクを低減できることだ。猫の乳腺腫瘍の場合、約9割は悪性のがんとなる。避妊手術は、この予防につながるのだ。さらに子宮や卵巣の生殖器疾患の予防や、発情期に大きな声で鳴くこともなくなり、近所とのトラブルも未然に防げる。

 オスの場合も、肛門周囲腺腫などの腫瘍の予防になることが明らかになっている。ほかにも、発情期に見られる、においの強いおしっこをあちこちにかける“スプレー行為”が減ったり、メスを求めて家から逃げ出すなどの行為がなくなり、猫自身も発情期のストレスを感じず穏やかに過ごせる。

「デメリットは、後で子猫がほしくなっても産めないこと、麻酔のリスク、肥満になりやすいことなどがあげられます。特に肥満は、糖尿病や心臓病のリスクを高めるので、日常的に一緒に遊んで運動をさせたり、食事内容に気をつけるなどして管理が必要です」

 手術は、全身麻酔をかけて行う。避妊手術の場合、開腹手術が一般的で、手術時間は30~60分。麻酔の覚め具合などにより、日帰りまたは入院のケースがある。費用の目安は3万~8万円。

 去勢手術の場合、手術時間は5~10分。基本的には日帰りで、費用は1万5000~5万円が目安となる。

 自治体や獣医師会の中には、条件付きで飼い猫の避妊・去勢手術に補助金を出すところもある。住んでいる地区が対象か、確認してみよう。

 避妊・去勢手術をするかしないかや、どこの病院で行うかを決めるのは飼い主だ。メリットとデメリットを理解した上で、判断しよう。

※女性セブン2020年2月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン